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不妊治療は高い?!節約のためのヒント
「不妊治療で通院しようと思うんだけどお金がないというか怖いかも…」
「不妊治療は2022年4月から保険適応になったの!以前よりずっと治療に取り組みやすくなったわ。それでも費用はステップアップする程高くなるし、治療期間も伸びればコストもかさむわ。だから今回は不妊治療に関わる助成金や節約方法についてのお勉強をしましょう!」
治療費を抑える5つのヒント
Check
- 民間保険(先進医療特約)を見直す:体外受精などの一部に対応する保険がある場合も。自身の加入保険を確認しておきましょう。
- 医療費控除を活用する:確定申告や年末調整で医療費が戻ることもあります。領収書の保管を忘れずに。
- 助成金を活用する:自治体の助成金や会社の福利厚生を確認してみましょう。
- 高額医療費制度を活用する:保険診療の範囲内であれば使用できます。自分の年収から自己負担限度額を確認しておきましょう。
- 付加給付を活用する:一部の企業に勤めている方は付加給付という制度があります。加入している保険組合を確認しておきましょう。
「まずは上記の5つがポイントよ。これを不妊治療の開始前に見直すことが大切。特に民間保険は健康なうちでないと加入できない可能性もあるので要注意。病院に行ってから保険を考えるのでなく保険に入ってから治療を受けるが基本よ。」
「たくさん補助がありそうだね!民間保険かー。入っているけど内容まで把握してないからチェックしなきゃー。」
民間保険(先進医療特約)を見直す
民間保険とは?
- 生命保険や医療保険など、公的保険とは別に個人で加入する保険のこと。
不妊治療中は、検査や治療をきっかけに予想外の病気が見つかることもあります。入院や手術が必要になるケースもあるため、該当する保険に加入していれば、給付金を受け取れることがあります。※補償の有無・内容は保険ごとに異なります。
先進医療特約とは?
- 民間保険に追加できる特約で、公的保険が適用されない「先進医療」に対応するものです。
体外受精などではタイムラプス培養などの先進医療を提案されることがあり、加入していれば自己負担となる治療費の一部が補償される場合があります。※補償の有無・内容は保険ごとに異なります。
「民間保険は“加入しておけばよかった”と後悔する方も多いの。私も不妊治療の中で子宮頸管ポリープや子宮内膜ポリープが見つかって手術した経験があるわ。不妊治療中に予期せぬ病気が見つかることもあるから、備えておくと安心よ。」
「確かに、SNSでも“先進医療を勧められたけど保険に入ってなくて諦めた…”って話をよく見るかも。私も一度、自分の保険内容を確認してみようかな!」
医療費控除を活用する
医療費控除とは?
- 年間で一定額以上の医療費を支払った場合に、確定申告を行うことで税金の一部が戻ってくる制度です。
自分自身だけでなく、生計を一にする家族の医療費も合算して申請できます。不妊治療にかかる費用も対象となるものが多く、毎年の申告で家計の助けになる場合があります。 - 医療費控除の対象となる金額は、「年間の医療費の合計」から「保険金などで補てんされた金額」と「10万円(または所得が200万円未満の場合は所得の5%)」を引いた金額です。
10万円以上は医療控除と覚えておきましょう。会社の年末調整ではなく確定申告を自分で行う必要があります。
費用の種類 | 対象になる? | 備考 |
---|---|---|
診察・治療費 | 対象 | 医師による診察・治療・手術など |
処方薬の費用 | 対象 | 病院の処方箋に基づいて購入した薬 |
市販薬(OTC医薬品) | △ 条件付き | セルフメディケーション税制の対象品のみ |
通院の交通費 | 対象 | バス・電車など公共交通機関(※タクシーは原則対象外) |
タクシー代 | △ 条件付き | 緊急時や体調不良時などやむを得ない場合 |
不妊治療費 | 対象 | 保険診療・自由診療どちらもOK(※一部対象外もあり) |
サプリメント | 対象外 | 医薬品でないため、基本的に控除対象外 |
健康診断(人間ドック) | △ 条件付き | 病気の治療が目的で再検査等がある場合は対象 |
「不妊治療は検査・通院・投薬などが続くから、気づいたら医療費が年間何十万円以上になっていることも。私は1年分の領収書をまとめて申告して、数万円戻ってきたことがあるわ。確定申告を意識してこまめにレシートや領収書を記録していくのがコツよ!」
「えっ、申告すればお金戻ってくるかもしれないの?全然知らなかった…!ちゃんと申告しよう!」
助成金を活用する
助成金を活用する
- お住まいの自治体が、特定の治療や費用に対して支援してくれる制度です。
不妊治療にかかる費用は高額になりがちですが、不妊治療を支援している自治体もあり申請をすれば費用負担を軽減できる可能性があります。申請には条件や手続きがあるため、早めの確認がおすすめです。
【例】東京都の特定不妊治療費助成制度
項目 | 内容 |
---|---|
対象年齢 | 治療開始日における妻の年齢が43歳未満 |
助成額 | 先進医療にかかった費用の 10分の7 について、 15万円を上限 に助成 |
助成回数 | 39歳以下は最大6回、40〜42歳は最大3回 |
対象治療 | 体外受精・顕微授精などの先進医療 |
その他 | 申請には対象医療機関での治療、申請期限に注意 |
※詳しくは「東京都特定不妊治療費」をご確認ください。
「たとえば東京都の助成制度では、体外受精などの先進医療にかかる費用について、自己負担分の7割相当が助成される場合もあるの。1回あたりの上限は15万円だけど、最大6回まで申請できるからかなり助かるわよね!」
「えっそんな制度があるなんて知らなかった!東京都は支援が手厚いんだね…。私の住んでる地域は対象外みたいで、ちょっと悔しいかも泣」
会社の福利厚生を確認する
福利厚生で費用負担を軽減できる?
- 勤務先によっては、不妊治療に関する費用の補助や特別休暇制度を設けている場合があります。
福利厚生の内容は会社によって異なりますが、特定の治療費の補助、提携クリニックの割引、カウンセリングの無料提供、休暇制度など、多様なサポートが存在します。
詳細は人事部や社内ポータルサイトで確認できることが多いため、まずは自社の制度をチェックしてみましょう。
「実は私の前職でも不妊治療費に対して年間上限付きで補助金が出ていたの。制度を使っていない人も多かったけど、知らないともったいないわ。会社の福利厚生、見直してみる価値ありよ!」
「え〜知らなかった!私の会社にもそういう制度あるのかな?早速ポータルサイト見てみようっと!」
高額医療費制度を活用する
高額療養費制度とは?
- 1ヶ月の医療費が高額になったときに、自己負担額が一定限度を超えた分があとから払い戻される制度です。
健康保険に加入していれば誰でも利用できます。年齢や所得に応じて自己負担の上限が決まっており、それを超えた分は原則払い戻し対象となります。
【70歳未満】高額療養費制度の自己負担限度額
所得区分 | 標準報酬月額 | 自己負担限度額(1ヶ月) | 多数回該当時(4回目以降) |
---|---|---|---|
ア | 83万円以上 | 252,600円+(総医療費-842,000円)×1% | 140,100円 |
イ | 53万~79万円 | 167,400円+(総医療費-558,000円)×1% | 93,000円 |
ウ | 28万~50万円 | 80,100円+(総医療費-267,000円)×1% | 44,400円 |
エ | 26万円以下 | 57,600円 | 44,400円 |
オ | 住民税非課税世帯 | 35,400円 | 24,600円 |
※自己負担限度額は概算です。年齢・保険の種類・加入状況等により異なるため、詳細は加入している健康保険組合等でご確認ください。
「たとえば体外受精や手術などで医療費が一時的に高額になっても、自己負担の上限を超えた分はあとから戻ってくる仕組みなの。最近はマイナンバーカードで限度額適用認定証の申請が前もってできるから上限に達したらそれ以降その月の支払いはなしなんてこともあるわ!」
「高額医療費ってなんとなく聞いたことがあったけどすごくありがたい制度だったのね…!」
付加給付を活用する
付加給付とは?
- 健康保険組合などが、法定の高額療養費制度とは別に独自で設けている給付制度です。
一定額以上の医療費がかかった場合、あらかじめ決められた自己負担限度額を超える部分について、さらに補填してもらえる場合があります。特に大手の企業で団体健康保険組合を自社で運営している場合はこの制度を用意していることが多いです。
【例】主な健康保険の付加給付制度
加入先 | 保険名称 | 付加給付 | 自己負担限度額(例) |
---|---|---|---|
会社員(中小企業等) | 協会けんぽ | なし | 高額療養費の範囲内 |
公務員 | 共済組合 | あり | 25,000円 |
個人事業主・自営業 | 国民健康保険 | なし | 高額療養費の範囲内 |
トヨタ自動車 | トヨタ自動車健康保険組合 | あり | 20,000円 |
NTTグループ | NTT健康保険組合 | あり | 25,000円 |
ANA | 全日空健康保険組合 | あり | 30,000円 |
※2025年9月時点の情報です。実際の制度内容や条件は加入先の保険組合公式サイトでご確認ください。
「たとえば高額療養費制度で8万円まで自己負担でも、付加給付があれば実際の負担は2万円以下になるなんてケースもあるのよ。申請の有無や支給条件は保険組合によって違うから、自分の保険証の発行元をまずチェックしてみて!」
「そんなに戻ってくることがあるんだ…!私は協会けんぽだから対象じゃないかもしれないけど、一応調べてみる価値はありそう!」
治療を始める前に「お金の対策」も忘れずに
「不妊治療は精神的にも体力的にも大変だけど、金銭面の不安を少しでも減らすことは大事な準備のひとつ。今回紹介した制度や控除・助成金などをしっかり押さえておけば、将来『知らなかった…』と後悔することも減らせるわよ!」
「ほんとだね…!お金のことって後回しにしがちだけど、早めに調べて準備するってすごく大事なことなんだね。私も一つずつチェックしていく!」

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